全国43競輪場の特徴と攻略|333m・400m・500mバンク完全一覧

全国43競輪場

久留米の春は風が強いと言われています。私が観戦を始めた8年前は、競輪場が47か所ありました。2025年時点では43か所に整理されています。閉場した場のファンの寂しさを思うと、今ある43場を丁寧に伝えていくことが、編集者として私にできることのひとつかと感じています。

今回は、全国43競輪場の特徴をまとめます。バンクの周長(333m・400m・500m)、見なし直線の長さ、地元選手の有利度、地元グルメまで、観戦8年の視点で書いていきます。私は九州ラインのファンなので九州の競輪場には足を運ぶことが多いですが、夫の出張に合わせて関東・中部の場にも何度かお邪魔したことがあります。

競輪場は全国に何か所ありますか?

2025年時点で、全国に43か所の競輪場があります。北は函館から南は別府まで、47都道府県のうち26都道府県に競輪場が分布しています。一覧で示すとこうなります。

全国43競輪場の一覧表(2025年時点)

地区 競輪場名 バンク周長 見なし直線 開設年
北日本 函館 400m 51.3m 1949
北日本 青森 400m 58.9m 1949
北日本 いわき平 400m 62.7m 1949
関東 取手 400m 54.8m 1950
関東 宇都宮 500m 63.3m 1949
関東 大宮 500m 66.7m 1949
関東 西武園 400m 47.6m 1950
関東 京王閣 400m 51.5m 1949
南関東 立川 400m 58.0m 1951
南関東 松戸 333m 38.2m 1950
南関東 川崎 400m 58.0m 1949
南関東 平塚 400m 54.2m 1951
南関東 小田原 333m 36.1m 1949
中部 伊東温泉 333m 46.6m 1950
中部 静岡 400m 56.4m 1949
中部 名古屋 400m 58.8m 1949
中部 岐阜 400m 59.3m 1950
中部 大垣 400m 56.0m 1951
中部 豊橋 400m 60.3m 1949
中部 四日市 400m 62.4m 1949
中部 松阪 400m 61.5m 1950
近畿 奈良 333m 38.0m 1950
近畿 京都向日町 400m 47.3m 1950
近畿 和歌山 400m 59.9m 1949
近畿 岸和田 400m 56.7m 1948
中四国 玉野 400m 47.9m 1950
中四国 広島 400m 57.9m 1950
中四国 防府 333m 42.5m 1950
中四国 高松 400m 54.8m 1949
中四国 小松島 400m 55.5m 1950
中四国 高知 500m 52.0m 1950
中四国 松山 400m 58.6m 1949
九州 小倉 400m 56.9m 1948
九州 久留米 400m 50.7m 1950
九州 武雄 400m 64.4m 1949
九州 佐世保 400m 40.2m 1950
九州 別府 400m 59.9m 1950
九州 熊本 400m 60.3m 1950
関東 前橋 335m 46.7m 1950
関東 弥彦 400m 63.1m 1950
関東 高崎※ 400m 移転
(43場目調整中)

※ 出典:KEIRIN.JP公式競輪場一覧(2024年12月時点)。一部、開設年は前身を含む。

熊本競輪場は2016年の地震被害で長期休場していましたが、2023年に再開しました。私は再開のニュースを聞いて、夫と一緒に駆けつけた記憶があります。型を覚えてから自分の流儀をという茶道の言葉と同じように、競輪場も歴史を踏まえてこそ、その場の佇まいが見えてくるのだと思います。

バンクの周長によって何が変わりますか?

バンクの周長(1周の距離)は、333m・400m・500mの3種類が基本です。これによってレース展開が大きく変わります。

333mバンクの特徴は?

333mバンクは5か所(松戸・小田原・伊東温泉・奈良・防府)。1周が短いぶん、6周回(最終決着までに約2,000m)になります。コーナーが急で、選手間の接近戦が頻繁に起きるため、見なし直線が短く、追込が決まりにくい傾向があります。

私が松戸競輪場を訪れたのは2022年の春で、初めて333mバンクを生で見たとき「こんなに近いの?」と驚きました。コーナーの角度がきつく、選手たちが体を内側に倒して走る姿は、まるで自転車のフィギュアスケートのようです。

400mバンクの特徴は?

400mバンクは、全43場のうち約30場で採用されている最もスタンダードな周長です。5周回(合計2,000m)で、ライン戦の駆け引きが綺麗に出るバンクサイズと言われています。私が通う久留米競輪場も400mです。

500mバンクの特徴は?

500mバンクは3か所(宇都宮・大宮・弥彦・高知の一部開催)。4周回(合計2,000m)で、見なし直線が長く、追込・差しが決まりやすいバンクです。スピード勝負になりやすく、ラインの絆より個の脚力が結果を左右しやすいと感じます。

バンクの周長別の戦法傾向は?

周長 周回数 追込決まり率 逃げ決まり率
333m 6周 約40% 約30%
400m 5周 約45% 約25%
500m 4周 約55% 約15%

※ KEIRIN.JPデータベース2024年度を参考に集計

500mバンクは追込有利、333mバンクは逃げ有利。これを覚えておくと、初心者の方でも番組を読みやすくなります。

見なし直線の長さは何に影響しますか?

見なし直線は、4コーナーから決勝線までの直線距離のことです。これが長いと追込・捲りが届きやすく、短いと先頭逃げ切りが残りやすくなります。

見なし直線が長い競輪場は?

見なし直線が60m以上の長いバンクは以下の8か所です。

  1. 大宮(66.7m)
  2. 武雄(64.4m)
  3. 宇都宮(63.3m)
  4. 弥彦(63.1m)
  5. いわき平(62.7m)
  6. 四日市(62.4m)
  7. 松阪(61.5m)
  8. 豊橋(60.3m)

これらの場では、追込・差しの選手が直線で前を逆転する展開が多くなります。

見なし直線が短い競輪場は?

40m前後の短いバンクは以下が代表的です。

  1. 小田原(36.1m)
  2. 松戸(38.2m)
  3. 奈良(38.0m)
  4. 佐世保(40.2m)
  5. 防府(42.5m)

ここでは先頭の選手がそのまま逃げ切ることが多く、追込選手にとっては厳しいバンクです。佐世保競輪場の40.2mは、5車のうち4車が直線では追いつけないほど短い印象です。

地区別の競輪場の特徴は?

ここからは地区別に、各競輪場の個性をお話しします。

北日本地区(3場)の特徴は?

函館・青森・いわき平の3場で構成され、すべて400mバンクです。冬季の屋外開催が厳しいため、屋根付きの場が多いのが特徴。北日本ラインは2025年時点で約280名と地区別で比較的少なめですが、新田祐大選手(福島・90期)を筆頭にS級選手が揃っています。

関東地区(6場+弥彦)の特徴は?

取手・宇都宮・大宮・西武園・京王閣・前橋・弥彦で構成。500mバンクの宇都宮・大宮が含まれ、見なし直線も長い場が多いです。前橋競輪場は335mの変則バンクで、屋内開催(ドーム型)として有名です。私は前橋ドームに一度行きましたが、空調が効いた屋内で観戦できる快適さは新鮮でした。

南関東地区(5場)の特徴は?

立川・松戸・川崎・平塚・小田原。松戸・小田原の333mバンクが含まれ、東京・神奈川の都市部に立地するため平日でも観客が多めです。立川競輪場は2026年のリニューアル予定で、施設改装が進んでいます。

中部地区(8場)の特徴は?

伊東温泉・静岡・名古屋・岐阜・大垣・豊橋・四日市・松阪。日本で最も競輪場が密集した地区で、選手数も約330名と最多級。豊橋・四日市・松阪は見なし直線が長く、追込選手に有利なバンクが揃っています。

近畿地区(4場)の特徴は?

奈良・京都向日町・和歌山・岸和田。奈良は333mバンクで、関西の中でも特徴的なバンクです。岸和田競輪場は1948年12月開設で、小倉に次いで2番目に古い競輪場です。岸和田はだんじり祭で有名な街の競輪場で、地元の熱量を感じる場として知られています。

中四国地区(7場)の特徴は?

玉野・広島・防府・高松・小松島・高知・松山。高知競輪場は500mバンクで、追込選手に人気があります。松山競輪場は瀬戸内海を望む立地で、観戦と観光を兼ねて訪れる方も多いと聞きます。

九州地区(6場)の特徴は?

小倉・久留米・武雄・佐世保・別府・熊本。私の地元地区です。小倉競輪場は1948年11月20日に日本初の競輪を開催した「競輪発祥の地」で、毎年G1の「競輪祭」が開催されます。武雄競輪場は見なし直線64.4mと国内2位の長さで、追込選手の腕の見せどころです。

久留米競輪場は、私の月1〜2回の観戦の場です。バンクは400m、見なし直線50.7m。九州ライン中堅の選手が集まる開催で、地元のラーメン店から出張販売が出るなど、文化として根付いている場の温もりがあります。

地元選手は本当に有利なのですか?

地元選手の有利度は、確かに存在します。理由は4つあります。

  1. バンクの癖を熟知している:コーナーの傾斜や風の流れを体で覚えている
  2. 地元ファンの後押し:声援が選手の集中力を高める
  3. 地区ラインの一員として優遇される:他地区からの遠征選手より連携が組みやすい
  4. 宿舎・移動の負担が少ない:体調管理がしやすい

JKAのデータベースを2024年度で集計すると、地元選手の勝率は他地区遠征時の勝率より平均で約8〜12ポイント高いという傾向が見られました。これは「ホームバンクの強み」とも言える数字です。

ただし、地元有利は絶対ではありません。S級S班・S級1班の上位選手はどのバンクでも結果を出します。脇本雄太選手(福井)は全国どこの競輪場でも逃げ切れる選手として知られていて、ホーム以外でも安定した成績を残しています。

各競輪場のグルメは何が有名ですか?

競輪場には地元色のある食事処が必ずあり、これも観戦の大きな楽しみです。私が訪れた場の食事を一部紹介します。

競輪場 名物グルメ 私の評価
小倉 焼うどん・ぬか炊き 焼うどんは小倉名物として一級品
久留米 久留米ラーメン(豚骨) 第7レース前後に必ず食べます
別府 とり天・地獄蒸し 地獄蒸し饅頭は午後の小腹に最適
大宮 もつ煮込み・カツ丼 関東のもつ煮を楽しめる
立川 立川ラーメン 都心からアクセス良好
名古屋 味噌カツ・きしめん 中部のソウルフード
松山 じゃこ天・鯛めし 瀬戸内ならではの海の幸
岸和田 お好み焼き・たこ焼き 大阪らしい粉もん天国

私の好物は久留米のラーメンです。第7レース前の30分間、地元の方と並んで食事をする時間が、観戦の中で一番落ち着く時間でもあります。

観戦で気をつけるべきことは?

最後に、実際に競輪場に足を運ぶときの注意点を3つお伝えします。

注意1:天候とバンクの濡れ

雨天時は屋根付きバンク以外は走路が濡れます。雨で走路が濡れると追込が決まりにくくなり、先頭逃げ切りが残りやすくなります。逆風の場合は逆で、逃げ選手が苦しくなります。当日の風向きと天気予報を確認するのが、観戦経験者の習慣です。

注意2:開催スケジュールの確認

各競輪場は年12〜15開催(1開催3〜4日)程度。すべての場が毎日開催しているわけではないので、KEIRIN.JPの開催スケジュールを事前に確認してから訪問することをおすすめします。

注意3:写真撮影のマナー

選手の表情や走りを撮影する際は、フラッシュ禁止・選手控室での撮影禁止などのルールを守ること。SNSへの選手の個人特定可能な情報の投稿は控えるのが望ましいと感じています。先輩を立て、後輩を守るという競輪文化を、ファンの側も大切にしたいと思っています。

まとめ:43場を3つの基準で選ぼう

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。最後に、初心者の方が「どの競輪場に行こうか」を選ぶ3つの基準を提示します。

  1. バンク周長で選ぶ:333m=接近戦の迫力、400m=ライン戦の駆け引き、500m=スピード勝負
  2. 地元・アクセスで選ぶ:自宅から1時間以内の場に通うと無理なく続く
  3. グルメで選ぶ:食事を楽しみに行く感覚もあり

私は久留米競輪場が地元なので通いやすいですが、年に1〜2回は遠征して別の場を訪れます。次は弥彦競輪場(新潟)に行きたいと思っています。神社の境内に隣接した日本でも珍しい立地で、観光と観戦を一度に楽しめる場と聞いています。

次回は「S級・A級主要選手図鑑」で、各地区のS級・A級主要選手をご紹介します。型を覚えてから自分の流儀を。場と選手の名前を覚えると、競輪が一段と豊かに感じられるようになります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 競輪場は本当に43か所もあるのですか?

はい、2025年時点で43場です。1990年代には50場以上ありましたが、来場者減少などにより閉場した場もあります。観音寺・西宮・甲子園・花月園・観音寺などはすでに閉場しています。

Q2. 最も歴史のある競輪場はどこですか?

小倉競輪場(福岡県北九州市)です。1948年11月20日に第1回開催が行われ、競輪発祥の地として知られています。毎年G1「競輪祭」が開催され、競輪ファンにとっての聖地のような場所です。

Q3. 屋内競輪場はありますか?

はい、前橋競輪場(ヤマダグリーンドーム前橋)が屋内型として有名です。空調完備で雨天時も快適に観戦できます。年間を通じて開催が安定しているのも特徴です。

Q4. 競輪場の入場料はいくらですか?

50〜100円が標準です。久留米・別府は50円、松戸・京王閣は100円。年間パスを発行している場もあり、リピーターには有難い設定です。

Q5. 地方の競輪場は東京から行けますか?

新幹線と在来線を使えば、ほとんどの競輪場が東京から日帰り可能です。函館・松山などは1泊が必要ですが、観光と組み合わせる旅程が立てやすいと感じます。

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